2012年9月10日月曜日

2011年の活動を振り返る

ずっとブログのアップデートをしていなかったので、一年越しになりますが、去年の活動を振り返ってみたいと思います。


昨年2011年は私にとって大きな転機の年となりました。

3月には誰もが知るように東日本大震災が突如起こり、災害の恐ろしさを目の当たりにしました。私はその時実家にいて、着付の教室に行く為に着物を着ているところでした。そこに突然の揺れ。長襦袢姿で叫びながら家を飛び出したところで見たのは、大きく軋む電信柱。なぜか外には誰もおらず心の中では冷静にシュールな映画のようだと考えていました。青い空、いつもの風景、音も無く揺れる天地、悲鳴を上げて踞る着物姿の自分・・。
しかしそれはやはり現実で、連日報道される恐ろしいニュースに震えが止まらない日々を過ごしました。
日常というただ連綿と続く平和な日々が、如何に貴重なものなのか、生きていることの有難さと、家族が隣にいることの大切さを思い知りました。そして自分のことを思い返し、今命を頂いている一人の人間として充分な生き方をしてきたかと自答すれば、そんなことはとても言えないと感じました。いつかは必ず死ぬ、それまでの人生を、それを彩る生活を、もっと良く生きなければと思ったのです。



3月の震災を経て5月、友人Jamie Dwyerが主催したイベント「滝本ハウス Support Ishinomaki!」にて茶会をしました。東京の端の大きな民家で行われたこのイベントは、若者たちが自主的に集い、ハンドクラフト販売やライブを行って売り上げが石巻へ募金されるというものでした。

それまで個人的な茶会は内輪のイベントでは何度か経験があったものの、ここで初めて、お茶が全く初体験の方を対象とした茶会を催す機会を得ました。バンドの男の子たちがドラムやアンプをセットする中、茶道具が入ったボテ箱をヨタヨタ運び込む着物姿の私は相当違和感があったと思いますが、バンドマンたちは足を痺れさせながらもゴクゴクお茶を飲んでくれて、楽しい茶会になりました。
また個人的な茶会では初めてお代を頂き、わずかばかりですがお茶を通じて募金もすることができました。




そして下のポストにありますが、7月から約2ヶ月に渡り、スペイン王立セルバンテス文化センターで開催された画家・堀越千秋氏の大規模展覧会において、少人数のお客様を対象にした添釜茶会「木下闇の茶会」を開催しました。
オープニングパーティから大盛況だったこの展覧会では、会期中に何度も豪華ゲストによるライブイベントが行われ、その都度席を設けてお客様方にお茶を供しました。

とにかく画伯ご本人にファンが多いので、いらっしゃるお客様の数もハンパではなく、流派の茶会より数段忙しいものでした。茶席の前にはずらっとお客様が並ばれて、見かねた友人が行列を整理してくれたり、会期中茶席を目当てに何度も来てくださったお客様がいたりと、お茶のもつ潜在的な魅力を再確認できた機会になりました。
そしてなにより現代アートと茶の湯の親和性の高さというか、お客様を含め、嵌った時のかっこよさに自分でも幾度となく驚くことがありました。

田中泯さんのフクシマに捧げる踊りが行われました

いわゆる茶道の場では、がちっと場を組み立てて茶席を設けるというところまで年齢的にも経験的にも至りません。何しろ60、70歳はまだ若手という世界でもあります。もはや悟りの境地というところですから、当然私はそんなお茶はできません。

ですが、このような茶室ではない場所で、スペインを描いた絵を主役に「自分のお茶」ができるんだというのはとても自信になりました。茶席としては点前を最初から終わりまでやることはできないので、お客様にゆっくりはしていただけなかったのですが、会場のざわめきとフラメンコギターの音をBGMに、ひとときの暇を楽しんでいただけて、その場で素敵な感想をたくさんいただいて、また多くのことを学ばせてもらい、「今後もこういった形でお茶をどんどんやっていきたい」と強く思いました。

続きます。

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