2010年8月27日金曜日

Sky of Vallotton

竹林に囲まれた丘の上で、夢の中のような一日を過ごした。
茶室と合気道の道場のある、古い民家。
外に出れば、小さな畑と茶庭とせせらぎの音。


裏庭には、しだれ桜の大木と古い石仏が寄り添うようにあって。



そこから八ヶ岳をのぞめば、Vallottonの空が広がっていた。



>Felix Edouard Vallotton

Farmer's Market

青山国連大学前で毎週土日の朝10時から行われている、ファーマーズマーケットにお手伝いとして参加させていただいた。
ガーデニングカウンセラー、そしてオリーブ研究家、料理研究家としてもご活躍なさっている岡井路子さんのブースで、売り子とは名ばかりのお邪魔をしに。

岡井さんの持ち物全てに興味しんしん。


とにかくお持ちのあらゆるものに、揺るぎないこだわりと哲学があって、その姿勢を見せていただくだけでも、素晴らしいことを勉強させていただいている。


自分の意思で住み場所を選び、家庭用品をそろえたり、インテリアを整えたりする中で初めてわかったことは、スタイルを確立するには、多大で絶え間ない努力が必要だってことだった。

普通に暮らしているだけなのに、生活の中にはなんと雑多なものごとが多いことだろう。
それらをストイックに排除しながら、なおかつ快適な暮らしを続けていくには、強い意志とセンスが要る。

安いからといって、ついつい百均やIKEAですませがちな私。茶道という極限まで自ずの美を追求し、世界と戦う世界においては、そんなんじゃだめだろうて。
ようじ一本として妥協を許さない岡井さんを見ていると、そんな自分に喝!

当然それは服でも同じことが言えるのだがしかし、ユニクロのヒートテックは手放せそうにないのであった。

>Farmer's Market

2010年8月12日木曜日

Chiaki-Gama Vol.2 ~Cha-Kai~

窯の途中、茶席で一服ふるまう。
茶会コーディネート・茶室制作:小堀宗峯(芙由子)
亭主:小堀宗圓(小堀遠州流16代家元)









その場にあった巨大なすいかときゅうりを床の間に飾り、暗くなったらろうそくを灯して、即興の茶会を開催した。
茶室の境界は、民家から出た赤松の古材を転用。釘が一切使われていない、ほぞの残る一本柱で、当初窯で燃やされる運命だったが、今は我が家の茶室に収まっている。
Yさんがわざわざ千葉の海沿いから運んでくれたものだ。

花入   竹引切
花    季のもの きゅうり すいか
釜    アルミのやかん
風炉   カセットコンロ
風炉先  古材 赤松
水指   ボール 葉蓋にて
茶器   千秋窯 備前風   宗峯作
茶碗   丹波焼   John Dix作
 替   千秋窯 焼締 大原女風
 替   千秋窯 焼締 平茶碗
御茶   又玄   小山園詰
菓子   瓢簞最中
 器   千秋窯 焼締   Kjell Hahn作

Chiaki-Gama Vol.1

毎年恒例、お祭り騒ぎの千秋窯が鎮火した。
無事1250度まであげることができ、8月24日の窯だしが楽しみである。

いつものことながら、ラテン気質の方がたくさん。
日本全国をバンドワゴンで旅行中のスペイン人若者グループがいたり、日系コロンビア人の監督が来たりと、国際色は豊かだ。
夜更ける頃に、祭りは始まる。朝日が昇るまでノンストップで呑み続け踊り続ける人々。千秋窯の特色は、窯以外のところにある。











今回は日程がずれ、実質4人で窯番にあたった。
窯前では、蓋を閉めていても120度以上はあるだろう。熱中症になりながらもがんばれたのは、窯の周りのこんな自然と、来てくれた友人たちとの楽しい時間のおかげ。ありがとう。



2010年7月1日木曜日

Books About Cha-No-Yu

茶の湯について、本を何冊かご紹介。
実際に購入して読み、これは(使える)!と思ったものだけを。

ただいま編集中。

2010年6月24日木曜日

Kamataki Firing

千秋窯の日程が決定した。

8/2(mon)~ 窯詰め
8/5(thu)~ 火入れ(窯焚き)

場所は、埼玉国際GCそば。
参加希望は、私までご一報を。



Firing Chiaki Horikoshi’s anagama kiln.
The firing amounts to a 5 day 24/7 party on the mountain side.
All are welcome to attend. There will be food, drinks, horses, instruments and a lot of people.
Call 090-9887-4914 to arrange to be picked up. Bring swimsuits and strong bug sprays.

Near to "Saitama Kokusai Golf Club".
From Tokyo: Take JR to Honjo Station.
Go to the right out the Station turnstyle, take the bus on the far right towards Onishi.
Take the bus to the last stop.
If you are meeting us at my house get off at the second to last stop at the post office, "Onishi Yubinkyoku Mae".


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2010年6月23日水曜日

Echigo-Tsumari Art Triennial 2010 Pt.2

今回の越後妻有では、フェスティバルのシーズンオフなため、のんびりゆっくりと鑑賞を楽しんだ。

里山とアートの融合がテーマなため、地元と密着した運営を目指しているらしい。作品を管理しているのは、近所に住む地元の方々だ。トリエンナーレのスタート時から携わっているという方に裏話を伺うことができた。

曰く、まず第一に地元民から理解を得るのが難しいということ。例えば「夢の家」は今年で設立10年目だが、やっと村落の高齢者の方にも認められるようになってきたらしい。
それまでは、はてアート?現代美術?ガイジンさん?あれ、棺桶ん中に寝るんか、そんな服で?とんでもねーよ、いやいや、無理だんべ、すまんけど手伝えね、けえったけえった、というような感じだったと。
反対する住民が少なくない中続けてきて、ここ最近お客さんも増え、地域にとって良い面が多いということがわかってきてやっと「アート」が歓迎されるようになった、とのことだ。

また第二には、管理が容易ではないということがある。
催しの目玉の多くがメンテナンスが必要な作品であり、現地に再び来ることのできないアーティストのそれに対しては地元の住民で管理を請け負っている。実際、「夢の家」と周辺のいくつかの作品を作った芸術家たちは、以後その地を訪れてはいないらしい。
下の写真を見てもらうと、例えばドライフラワーが箱に収められている作品は、頻繁に花を取り替える必要があって、花を集めることやドライフラワーにすることなど、面倒な手間とお金をかけて地元の方で維持しているとのこと。
大変なので適当にやっていると、どこからかスパイが送り込まれてきて、作家に怒られるらしい。





この薬草酒を並べた作品はオーストラリアのアーティストのものだが、薬草を集め、時間をかけてお酒を作ったり、適時追加したりすることは、全て地域住民でまかなっているとの話だった。この作品のためのストックが100瓶くらいあるそう。
お前がしろよ、と私なら言いたくなる。



とまあ、裏の話で見る目が変わる。正直、ちょっとがっかりしたのと同時に、こんな大変なことをよく10年も・・・と思わずにはいられない。



陶芸の登り窯を移築し、美術館に仕立てたもの。蔡國強(Cai Guo-Qiang)による。中身は今はからっぽ。








建築家が「禅庭」をテーマに、鉄鋼板を多用して公園を制作。白砂を清めれば、すごく良い空間になりそう。野点をしたいので、応募してみようか。



>越後妻有大地の芸術祭 (Echigo-Tsumari Art Triennial)

2010年6月19日土曜日

Echigo-Tsumari Art Triennial 2010 Pt.1

新潟妻有地区での里山を使った広大なアートフェスティバル、越後妻有アートトリエンナーレを見に行く。
フェスティバルの開催は3年に一度。前回は2009年に催され、次は2012年だが、会期中でなくても野山に作られた数々のアート作品を見ることができる。何しろ作品総数は370点もあり、私が行った会期外の平日でも、屋外作品150点程は観覧可能だ。
去年行きとてもおもしろかったので、小沢健二新潟ライブの帰り道、一同松代へ向かった。

緑の色が違う。ある意味凶暴なエネルギーが溢れ出て恐ろしいほどの美しさ。
脅威にも恵にも成りうる偉大な環境の中に、作品が点在している。






会期外でも、いくつかの宿泊施設に泊まることができる。
マリーナ・アブラモヴィッチというユーゴスラビア出身の前衛アーティストが、築100年以上経た民家を改装して作った「夢の家」という場所に予約を入れた。素泊まり6000円。
施設自体がアートで、そこに滞在する一夜は利用者が参加するインスタレーションとして企画構成されている。
つまり、物を食べ、風呂に浸かり、パジャマに着替えて寝床に付き、夢を見るという一連のことに作家から細かく指示を与えられている。利用者は作家の意図するように行動し、見た夢を本に書きとめる。人々のあらゆる夢が記録された本は、後に出版されるようだ。

主体になっているのは、特殊なスーツを着て、色のついた部屋の棺桶ベッドに寝て夢を見るということだが、マリーナ・アブラモヴィッチからは想像以上の詳細な注文がついていた。例えば、、、
一切の会話禁止。
一切の飲酒、喫煙、投薬禁止。
一切のみだらな行為の禁止。
15分間熱い風呂に入った後、さらに15分間体温程度の薬湯に浸かること。
風呂では石けんを使わないこと。

まあ当然のように、こんな規則が守られるはずがなく、だからかもしれない、夢の世界に身をひたすようなスピリチュアルな体験はできなかったのだが。
固い石枕やスーツの暑苦しさで実際ほとんど眠れなかったのが残念、しかし、石/木/水/植物には霊性が宿っているという東洋的価値観で工夫された設備や、12の強力な磁石で体内に磁場を作り出しチャクラを開かせようとする試みが、アトラクション的におもしろかった。

マリーナ・アブラモヴィッチの世界にどっぷりと浸ることができれば絶対に何か「ひらける」だろう。正直なところ、もう一度行くなら、布団を敷いて私は寝るが。










>越後妻有大地の芸術祭 (Echigo-Tsumari Art Triennial)
>>夢の家 (Dream House)
gt;>>Marina Abramovic